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2015年07月27日 更新
花王グループ「2015年3月以降、化粧品の動物実験廃止」

Good News!
花王グループ「2015年3月以降、化粧品の動物実験廃止」
化粧品原料の調達についても、「動物実験なし」書面確認を徹底

JAVAを含む3つの動物保護団体で構成する「美しさに犠牲はいらないキャンペーン(CFB)実行委員会」は、2015年6月22日、花王本社を訪問し、花王の常務執行役員、カネボウ化粧品の執行役員ら5名と意見交換を行い、花王グループが薬用化粧品を含む化粧品分野の動物実験を廃止したと確認しました。

これまでの経緯

2015年3月、JAVAが化粧品企業約1000社を対象に実施したアンケート調査に対して花王は:
「弊社は、化粧品(薬用化粧品を含む)の研究・開発においては既に動物実験を行っておらず、外部にも動物実験を委託していません。今後も製品・原料の自社における実施・外部委託を問わず、化粧品(薬用化粧品を含む)のための動物実験は行わない方針です。また、トイレタリー製品の安全性確認においても、動物を用いた試験は行っておりません。なお、社会の要請により安全性の説明をする必要が生じた場合は除きます(※2)。
(略)
※2 市場にある製品に関して、改めてその安全性を証明する必要が生じ、そのための選択肢が動物実験しかない場合や、法規制等により動物実験が不可欠となっている場合。」
との見解(PDF)をJAVAに送付。この見解の※2の注釈の内容確認のためJAVAが追加的に送った公開質問状に対して花王は4月13日、化粧品(薬用化粧品を含む)を対象にした薬事申請について動物実験を行っていない旨を回答しました(PDF)
また、花王の100%子会社であり、研究体制を同じくする株式会社カネボウ化粧品も3月、上記JAVAの調査に対して、化粧品及び医薬部外品について、完成品・原料を問わず、自社における実施・外部への委託を問わず、動物実験を行っていない旨回答しました。
一方、今年4月、花王は公式ウェブサイト上で「花王グループの化粧品における動物実験に対する考え方」として、「花王グループは、化粧品(医薬部外品を含む)の商品開発に際し、外部委託を含めて動物を用いた試験は行なっておりません。また、今後も行なう予定はありません」との方針を表明していました。
JAVAならびにCFBは、日本においては、EU等諸外国が実現してきている法的禁止の前に、各企業の自主的な取り組みと決断により、動物実験の事実上の廃止状態を招来できると考え、これまで様々な化粧品企業に働きかけを続けてきましたが、化粧品シェア2位、洗剤・トイレタリーでは国内首位を誇る花王グループが、「動物実験の廃止に向けた動きは世界的なものであり、花王グループはこれに賛同し」、「動物愛護も十分考慮し」ているという前提で、これらの動物実験を廃止したのであれば、日本の化粧品業界においてきわめて画期的な出来事です。
そこで、書面上でははっきりしない点の確認を含め、直接面会してその真意を確認しようと、5月11日、CFBとして面会を申し入れ、6月22日の面会の約束を取り付けていました。

花王グループ対応者 手前より 石渡明美・花王 執行役員 コーポレートコミュニケーション部門統括/鈴木尋之・花王 品質保証本部安全管理・技術渉外センター センター長/青木秀子・花王 常務執行役員 品質保証本部長 兼 カネボウ化粧品 取締役/福田浩三・カネボウ化粧品 執行役員 経営企画部門統括/荻野秀一・花王 品質保証本部 副本部長 兼 カネボウ化粧品 品質保証部門統括、CFBメンバー 手前より 東さちこ・PEACE代表/亀倉弘美・JAVA理事/岡田千尋・ARC代表理事(以上敬称略)

新規原料開発放棄という決断

今回、花王グループの役員らに面会して、廃止という決断と公表に至る経緯を含めた方針の内容についてざっくばらんに話し合いを行いました。
そして後日文書上で、
動物実験の廃止に向けた動きは世界的なものであり、弊社もこれに賛同し、1980年代後半から動物実験代替法の技術開発に積極的に取り組んできています。お問い合わせいただきました化粧品(薬用化粧品を含む)について、弊社は2003年のEU規制の発効前から、製品の動物実験は廃止しておりました(※1)。その後も、動物実験代替法開発研究を進め、花王グループとして、2015年3月以降、化粧品(薬用化粧品を含む)の研究・開発において動物実験を行わず、また外部にも動物実験を委託しておりません(※2)。

※1:市場にある製品に関して、改めてその安全性を証明する必要が生じ、そのための選択肢が動物実験しかない場合や、法規制等により動物実験が不可欠となっている場合は除いています。
※2: 万一、社会に対して安全性の説明責任が生じた場合や、一部の国において行政から求められた場合を除きます。
以上
との内容を改めて確認しました(※注1)。
つまり、花王とカネボウは、化粧品と医薬部外品(薬用化粧品)の開発において、製品・原料に対して、自社での実施、外部委託を含め、動物実験は廃止した、ということです。ただし、輸入化粧品に対して動物実験を課している中国への輸出や、化粧品による事故が発生した場合の原因究明など、動物実験を例外的に行う条件設定は、これまで動物実験廃止を表明した他の大手企業と同様です。
「市場にある製品に関して、改めてその安全性を証明する必要が生じ、そのための選択肢が動物実験しかない場合」が挙げられていますが、花王の100%子会社で研究体制を統合した株式会社カネボウ化粧品の美白化粧品が白斑症状を引き起こした事故が記憶に新しいなか、現在は厚生労働省の研究班や日本皮膚科学会の特別委員会、そして花王グループ・カネボウ化粧品のプロジェクトチーム等によって原因究明に向けた研究が行われており、そのなかで多くの動物実験が行われていること、カネボウ化粧品が設立した「化学物質(ロドデノール)による白斑研究基金」からも動物実験を含む研究に対して助成金が支給されています。
(関連:カネボウ美白化粧品による白斑事故 動物実験は残酷で、無意味だった
とはいえ、上記のような例外はあるにせよ、過当競争のなかで特に大企業にとって手放しがたかった新規原料開発を放棄した、その方針をグループ全体で共有しそれを公表したという事実は、遅きに失した感は否めぬものの、一定の評価には値します。

※注1 医薬部外品については薬用化粧品のみを対象。また、今回CFBが確認した花王グループの動物実験廃止方針は、その対象を「化粧品」「いわゆる薬用化粧品(医薬部外品)」に限ったものであり、それ以外の製品等(たとえば洗剤等)は対象ではありません。

次なる課題は原料調達先の動物実験全廃

これまで複数の大手化粧品企業に対して「自社における動物実験の実施の取りやめ」「外部への動物実験の委託の取りやめ」という決断を促してきたなかで、原料調達先における動物実験の問題が、新たな課題として浮かび上がってきています。
(関連:動物実験、化粧品の原料業界の動向は?第7回化粧品産業技術展に行ってきました
つまり、化粧品メーカーが「動物実験を廃止した」と公言しているにもかかわらず、その製品の原料に対して原料メーカーにおいて動物実験が行われているようでは、動物実験を行わないという方針は機能していないと言えます。
そこで、CFBからは、花王グループとして、動物実験の削減・廃止と動物実験代替法利用による動物愛護への配慮を加えた、新たな原料調達ガイドラインを策定し、サプライチェーン全体における脱・動物実験を要望しました。
花王株式会社
代表取締役 社長執行役員
 澤田道隆 殿

化粧品の動物実験廃止にかかる
原料調達方針の策定を求める要望書

私たちは、美しさを追求するはずの化粧品開発に際して、美しさとは対極に位置する残酷な動物実験が行われていることに強い憤りを覚え、一刻も早くそれが全廃されることを望んでいます。
本年に入り、貴社は、公式ウェブサイトにおいて「花王グループの化粧品における動物実験に対する考え方」として「化粧品(医薬部外品を含む)の商品開発に際し、外部委託を含めて動物を用いた試験は行っていない」「今後も行う予定はない」との方針を明らかにされました。
また、本年3月、当会の構成団体であるNPO法人JAVAが行った調査に対しても、上記の方針に加え「今後ともお客様に安全な製品をお届けしていくことを第一に、動物愛護、環境保護も十分考慮し、信頼される製品づくりになおいっそう取り組んで参ります」との決意を表明されました。
「社会の要請により安全性の説明をする必要が生じた場合を除く」との動物実験を実施する例外条件はあるものの、貴社グループがこれまで化粧品開発に際して行ってきた動物実験を原則として廃止するという決断に至ったことを、私たちは、「美しさに動物の犠牲はいらない」と考える消費者を代表して、評価し、歓迎します。
一方、これまで私たちが貴社をはじめとする複数の大手化粧品企業に対して「自社における動物実験の実施の取りやめ」「外部への動物実験の委託の取りやめ」という決断を促してきたなかで、原料調達先における動物実験の問題が、新たな課題として浮かび上がってきています。
すなわち、消費財メーカーが「動物実験を廃止した」と公言しているにもかかわらず、その製品の原料に対して動物実験が行われているようでは、動物実験を行わないという方針は機能しているとはいえません。その方針は、原料調達先をはじめとするサプライチェーン全体に到達し、共有され、順守されて初めて機能するものと考えます。実際にEUでは、2009年3月11日または2013年3月11日以降動物実験が行われた化粧品及びその原料の流通(輸入)が禁止されており、その運用が滞りなく行われていることからも、日本でも一企業がかような対応をとることは現実的に可能であることを示しています。
EUの完全禁止から2年が経過し、国内でも複数の大手化粧品企業が動物実験の廃止を続々と宣言するなか、満を持して上記方針を表明された貴社には、化粧品・家庭用品のシェア第1位を誇る立場として、原料調達に至るまでの動物実験廃止を確かなものとし、動物愛護も十分に考慮した真にエシカルな企業を体現していただきたく、下記のとおり要望いたします。

1. 花王グループとして、期限を定め、その日以降に動物実験が行われた原料は調達しないとする「動物実験していない化粧品等原料」の調達ガイドラインを新たに策定してください。

上記要望事項につきまして、本年末までに書面にてご回答くださるよう、お願い申し上げます。また、8月末乃至9月上旬をめどに、その検討過程における進捗状況を書面にて、または直接面会のうえご報告いただきたく、お願い申し上げます。

   2015年6月22日
美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会
亀 倉 弘 美(JAVA理事)
岡 田 千 尋(ARC代表理事)
東 さ ち こ(PEACE代表)

サプライチェーン全体へ浸透するようガイドライン化「前向きに検討」

 これに対し、9月8日付の書面にて、
ご要望の件はその主旨を前向きにとらえ、新たな原料調達に際して動物実験の状況の確認を進めていくこととし、その方法については検討して参ります。
との経過報告がありました。
(全文はPDFを表示→花王より原料調達について回答)

化粧品メーカーが、その原料一つに至るまで、動物実験が行われていないことを保証できるシステム作りについて、「World's Most Ethical Companies(世界で最も倫理的な企業)(※注2)」と評される花王グループの実行力とブランド力に期待したいと思います。

※注2 米国のシンクタンク「Ethisphere Institute(エシスフィア・インスティテュート)」が2007年に創設した賞。2007年以来、9年連続で選定されている。

花王へあなたの声を!

 「『動物実験していない原料調達ガイドライン』を新たに策定してください!」・・・自社グループにおける動物実験廃止にとどまらず、原料メーカーなどサプライチェーン(※注3)全体に「動物実験廃止」の方針が浸透するように、あなたの声を届けて、花王グループに大企業としての勇気ある決断を促してくださるようお願いします。
 
 手紙:〒131-8501 東京都墨田区文花2-1-3 花王株式会社
    生活者コミュニケーションセンター 消費者相談室 あて
 電話:0120-165-692 他
 FAX:03-5630-9380
 URL:http://www.kao.com/jp/soudan/
  https://www.facebook.com/corp.kao

※注3 サプライチェーンとは、企業の経営・管理で使用する用語で、原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、販売、配送までの製品の全体的な流れのこと(Weblio辞書より)。ここでは主に原料メーカーや製造受託メーカー(特にODM)などを指します。

化粧品原料の調達「動物実験なし」書面確認を徹底

その後、同年12月24日、花王より「動物実験の有無等の状況を新たな書式の書面ですべて確認することによって『動物実験していない原料調達』を徹底することとした」との報告がありました。この書面による確認はすでに2015年秋から順次実施しているとのことです。
今回の花王の対応は、原料メーカーを含む化粧品業界に大きな一石を投じることになるでしょう。市場シェアの高い花王の動物実験廃止方針が取引のある多くの原料メーカーでも遵守されるようになれば、おのずと動物実験の需要は減っていくことになるからです。また花王は、メーカーが「動物実験廃止」を宣言するには原料調達まで徹底することが必要であることを改めて示しました。

花王へエールを!

今回の、大企業としての勇気ある決断を評価し、今後も動物に配慮した方針を強化するよう、花王に声を届けてください。
http://www.kao.com/jp/soudan/

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