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化粧品の動物実験とは 日本の製造販売システム 動物を犠牲にしない代替法 世界の流れ
世界の流れ
EUの完全禁止から1年、 南米でも禁止する州が誕生、アメリカでは禁止法案が提出される
EUが化粧品の動物実験を完全に禁止した2013年3月11日から1年。この1年の間、EUに続けと、世界各国では化粧品の動物実験廃止に向けて、さまざまな取り組みが進んでいます。

グローバル
JAVAが日本のパートナー団体として協力している、英国本拠の国際的動物保護団体Cruelty Free International(CFI)を筆頭に、数々の動物保護団体の尽力の甲斐もあって、化粧品の動物実験禁止あるいは廃止に向けて、政府レベルで踏み出す国や地域が増えてきました。動物実験反対運動は長らく欧米諸国の専売特許と見られてきましたが、アジア、南米などでもその勢いはとどまることを知りません。

ブラジル
サンパウロ州で化粧品の動物実験禁止法施行!
1匹あたり4,200万円の罰金

1月23日、ブラジル・サンパウロ州で化粧品に対する動物実験を禁止する法律が州知事に承認され、1月24日に施行されました。ラテンアメリカ諸国初の快挙です!

2013年秋、フェリシアーノ・フィーリョ州議会議員が議会に緊急提出したこの法案(Bill 777/2013)は、すでに12月11日に州議会で承認されていましたが、ジェラルド・アルキミン州知事のサインが待たれていました。
これにより、同法に違反した場合(つまり化粧品等に対して動物実験を行った場合)、その動物実験を実施した施設には動物1匹あたり100万レアル(日本円で約4,200万円)の罰金が科されるとされています。

ブラジル国内に約2,300の化粧品企業があるとされるうち、3分の1弱にあたる約700社が存在しているサンパウロ州の決定が、今後、ブラジルの連邦政府に影響を与えていくことは必至です。また、ブラジルは中南米の化粧品市場の58%ものシェアを占めていることから、ブラジルにとどまらず中南米全体に大きなインパクトを与えていくことになるでしょう。

この一連の動きの背景には、2013年10月17日に同州サンロッケ市にあるロイヤル研究所(Royal Institute)から、薬物の毒性試験に供されるビーグル犬178頭が劣悪な状況におかれていたところを救出されたという事件がありました(ロイヤル研究所はこの後閉鎖されました)。この事件が発端となって、同州では動物実験に反対する気運が大きく盛り上がりました。
これに対して、アルキミン州知事は、この法案可決を、動物保護団体だけでなく、化粧品業界団体の代表者や獣医師、生化学者、医師など研究者らと協議した結果だと説明しています。

※参考記事
Brazil's Sao Paulo state bans animal testing
Sao Paulo to ban animal testing for cosmetics
São Paulo, Brazil Introduces Latin America's First Ban on Cosmetics Animal Testing

追記:5月1日に国レベルでの禁止法案がブラジル議会に提出されました。

アメリカ
化粧品の動物実験禁止法案が提出される
賛同議員の獲得が成立へのカギ

EUの禁止から1年が経とうという3月5日、米国下院のジム・モーラン議員(@Jim_Moran)が、化粧品の動物実験を禁止する法案を下院議会に提出し、速やかな法案通過を訴えているとのニュースが届きました。

モーラン議員が提案した「人道的化粧品法(the Humane Cosmetic Act 正式名称はTo phase out cosmetic animal testing and the sale of cosmetics tested on animals)」が成立すれば、実験禁止については1年間の段階的導入期間、販売禁止については3年間の段階的導入期間を経て、禁止が実現することになります。

法案提出当初、モーラン議員一人が提案者でしたが、2014年5月1日現在、共同提案者(cosponsor)に民主・共和両党から41名の議員が名を連ねています。同法案は追って下院の常任委員会に付託される予定ですが、委員会で審議され本会議へと上程され、成立の日の目をみるには、やはり数の力が必要。賛同する議員が増えることが望まれます。

●米国の下院議員に対して、同法案の共同提案者になるように求めるオンライン署名が立ち上がっています。ぜひ、日本からも、アメリカの議員へ声を届けてください。
Please join Cruelty Free International to ask your Representatives to become co-sponsors of the Humane Cosmetics Act.
http://chn.ge/1lD7uCt



EU では化粧品の動物実験が完全禁止
2013年3月11日、EUでは、化粧品の動物実験が例外なく完全に禁止になりました。EUではすでに2004年9月からは、EU域内における化粧品の完成品に対する動物実験を禁止し、2009年3月からは「化粧品の原料のための実験禁止」が追加され、さらに「EU域外で動物実験をした化粧品の完成品及び原料の域内取引(販売)の禁止」も加わりました。 しかし、販売禁止に関してはこの時点では3つの試験領域は例外とされていたのです。
[実験禁止(Testing Ban)]
  • 2004年9月11日より、EU域内での、化粧品の完成品のための動物実験禁止
  • 2009年3月11日より、代替法が確立されているか否かにかかわらず、EU域内での、化粧品の原料及び原料の組合せのための動物実験禁止

[販売禁止(Marketing Ban)]
  • 2009年3月11日より、EU域内における、動物実験が行なわれた化粧品の完成品、原料及び原料の組合せの輸入及び販売禁止(反復投与毒性、生殖毒性、毒物動態の各試験領域を除く)
  • 2013年3月11日より、代替法が確立されているか否かにかかわらず、上記3試験領域で動物実験が行なわれた化粧品の完成品、原料及び原料の組合せのEU域内における輸入及び販売禁止
禁止までの道のり
1980年代に大きくなった化粧品の動物実験反対運動は、ヨーロッパでは消費者ベースの運動にとどまらず、議会へのロビイング(陳情・要請行動)という形で発展しました。その結果、欧州議会(European Union)では、1993年6月14日、「動物実験が行われた原料を配合する化粧品のEU域内での販売を1998年1月1日以降禁止する」という化粧品指令第6次修正(93/35/EEC)を採用しました。この動きに並行するように、オランダ、ドイツ、英国、オーストリアなどのEU加盟各国では、自国の法律で化粧品の動物実験の禁止措置をとるようになりました。


なぜ「実験禁止」ではなく「販売禁止」だったのか
EU加盟各国は、この化粧品指令に基づいて国内法整備を進めていくことになるのですが、ここで重要なのは、「動物実験禁止」ではなく、「動物実験がなされた化粧品の販売禁止」だったことです。「実験禁止」の規定だったとすれば、EUの化粧品メーカーが動物実験を禁止していないEU以外の国で動物実験を行なって化粧品を開発し、その化粧品をEUで販売することが可能になってしまいます。また、同様にEU以外の国の化粧品メーカーがEU以外の国で動物実験を行って開発した化粧品をEUのなかで販売することもできてしまいます。
つまり、実質的に化粧品の動物実験をなくすためには「実験禁止」より「販売禁止」の方がより実効力のあるファクターだったのです。
たび重なる延期――業界が「自由貿易違反」と圧力
ところが、1998年から実現される予定だったEU域内での販売禁止は、実現目前の1997年には「2000年まで延期」、次の期限直線の2000年には「2002年まで延期」というように、延期決定が繰り返されました。なぜ、このような事態に見舞われてしまったのか。それは、日本をはじめ、EU内外の大手メーカーを中心にした化粧品業界が「動物実験をした化粧品が販売できなくなるのは貿易障害だ」「世界の自由貿易ルール(WTO)に違反する」と、EU政府に反対の圧力をかけたからでした。それによって、2001年には、EU内外の化粧品業界から圧力をかけられた欧州委員会(European Commission)は、「販売禁止」を反故にして「実験禁止」に差し替えようという提案をしました。つまり、「実験禁止」だけにすることによって、新規原料開発によって利益を上げようというメーカーに逃げ道を与えようとしたのです。これらの動きからも、ヨーロッパでもシェアの高い日本のメーカーが相当大きな圧力をかけたことがわかります。
自発的な動物実験廃止を!保護団体による国際キャンペーン
動物保護団体や消費者たちが待ち望んだ1998年1月1日という期日は、無念にも延期されてしまったけれど、「法律でダメならば、自発的に廃止にもっていこう」――1997年に欧州委員会から延期が発表されたのと並行して、ヨーロッパやアメリカの約50の動物保護団体が集結して(ヨーロッパ:ECEAE ※1、アメリカ:CCI C ※2)「化粧品の動物実験―それはあなたの手に委ねられている(Cosmetic Testing – it,s in your hands)」と銘打ったキャンペーンを始動させました。「動物実験していない」という国際基準(人道的な化粧品基準;Humane Cosmetic Standard)を設け、1998年1月1日までにこの基準を採用するように化粧品メーカーに働きかけて、本来、法的に禁止になるはずの期日を、事実上の禁止状態にしていこうというものでした。実際、期日までに約100社が名を連ね、現在でも基準を満たすメーカーが増えています。

※1 European Coalition to End Animal Experiments
※2 Coalition for Consumer Information on Cosmetics
人道的な化粧品基準
Humane Cosmetic Standard

  1. 動物実験を実施または委託しない
  2. その会社の製品および原料について、ある日付以降動、動物実験がなされていないということを証明できる日付を設定する
  3. 企業は、取引のあるすべての供給会社より、上記の基準を満たしているという明文化した証明書を定期的に得なければならない。

「人道的な化粧品基準」を満たしたメーカーの商品ラベルに表示されているウサギのマーク

※JAVAはこのキャンペーンに賛同していますが、この基準では、系列会社における動物実験実施の有無について問われていないため、現時点では、JAVA独自の「動物実験していない」基準を設定しています。
2009年、10年の歳月を経てEUで禁止に
政治をも巻き込んだ化粧品業界の抵抗に対して動物保護団体やEU市民の粘り強いロビー活動が続けられた結果、ようやく2003年2月27日のEU理事会(Council of European Union)において「販売禁止」と「実験禁止」の両方を盛り込んだ化粧品指令第7次修正案が承認され、同年3月11日に公布されるに至りました(2003/15/EC)(本項冒頭参照)。これによって、2009年3月11日より、EU域内で、化粧品開発のために動物実験が行なわれることはなくなりました。そして、EU域外で2009年3月11日以降に動物実験がなされた化粧品(完成品、原料、原料の組み合わせ)がEU域内で販売されることも禁止になりました。もちろん、日本のメーカーによる輸出販売についても適用されています(ただし、それは、EUに輸出しない化粧品について動物実験をしないことをメーカーに義務づけるものではありません)。
予断を許さない化粧品業界の圧力
化粧品指令第7次修正(2003/15/EC)は、「販売禁止令」のなかで例外3領域の試験については、2013年まで禁止の猶予を与えました。1993年に欧州議会が「化粧品の動物実験廃止」を掲げた決議をなして以来、実際に指令公布の日を迎えるまで幾度も延期となった経験から、EUの規制に力を注いできた動物保護団体は、2013年の例外なき禁止が実現するまでは予断を許さない、と警鐘を鳴らしています。化粧品業界が「代替法が確立していない」ということなどを理由に、さらなる延期を求めて圧力をかけてくることが予想されるからです。
過去にも、米国の大手メーカーP&Gの内部文書に、「大半の動物実験はEU外で行っているためEUの『実験禁止』には関心がない」、「『販売禁止』の延期を求めて強引なロビー活動をしてきた」、「それらのロビー活動を消費者に知られないようにしてきた」などが明記されていたことが、英国の動物保護団体によって暴かれています。また、業界を擁護するため国が圧力をかけた例として、世界最大手のロレアルをはじめ巨大な化粧品産業を擁するフランス政府が、動物実験禁止の動きを阻止するために、この指令(2003/15/EC)を不服として2003年8月、欧州裁判所(European Court of Justice)に異議申し立てを行ないました。しかし、2005年5月、フランス政府の上訴は棄却され、国と業界の企ては失敗に終わっています。
さらに、日本でも、業界団体である化粧品工業連合会が「EUには(動物実験の義務付けがある)日本の基準を尊重する措置を期待したい」 ※3と話しており、EU内外の大手メーカーが、動物実験をした化粧品をEUで販売できるように、EU当局に圧力をかけ続けているといっても過言ではないでしょう。

※3 「化粧品に動物実験は必要?」2009年4月24日付朝日新聞朝刊
EU、世界初の『動物を犠牲にしない化粧品市場』に!
2009年3月11日から禁止となった動物実験が行われた化粧品の販売に関して、例外として許されていた一部の動物実験(反復投与毒性、生殖毒性、毒物動態)についても、2013年3月11日に「延期されることなく」全面的に禁止となりました。

この例外に関しては、2013年3月に全面的に禁止することが決まっていたものの、一方で動物実験をやめたくない化粧品業界の圧力によって、最大で10年延期されるのではないか、と懸念されていたことから、世界中の動物保護団体は「延期なき禁止」を実現させるために日夜奮闘を重ねてきました。

そして、2013年3月13日、ようやく「延期なき禁止」が正式に決定されたのです。
欧州委員会のステートメント(英文)
実験の犠牲になる動物たちに国境はない
すでにEU加盟国のなかで化粧品の動物実験が禁止され、EUに流入する化粧品についても動物実験をしてはならないという規制がかかったものの、日本をはじめとする、動物実験が禁止されていないEU以外の国々では、いまも公然と動物実験が行われているのが実情です。EUの「動物実験禁止」は画期的な決定ですが、かたや新規原料開発が生む利益にしがみつく化粧品メーカーは他国で動物実験を続け、それをEUでも販売させようと画策している状況にあるのです。
EUの決定を一つの大きなきっかけにして、米国や中国、日本をはじめとしたEU以外の国々でも「動物実験廃止」の機運を盛り上げていくことが、いま、まさに求められています。そのなかでも、経済大国として日米欧の1極を担う日本で、私たち消費者が「動物実験反対!」の声をさらに大きくしていけるかどうかが、国境を越えて動物の犠牲をなくしていけるかどうかのカギを握っています。




化粧品の動物実験とは 日本の製造販売システム 動物を犠牲にしない代替法 世界の流れ


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